管理規約の見直しっておいくらですか?

管理規約の見直しについて、お問い合わせをいただくことがあります。

その際のお客様とのやり取りはだいたいこんな感じです。

 

お客様

「管理規約の見直しっておいくらですか?相見積もりをいただきたいのですが。」

    ※初めから相見積もりと言ってしまうお客様は結構多い。

「かしこまりました。はじめにお伺いしているのですが、管理会社に委託していますか?」

お客様

「委託しています。」

「管理会社に委託されている場合は、私どもが管理規約の見直しをお手伝いするケースはあまりないんですよ。」

お客様

「なぜですか?」

「たいてい比較表は管理会社が作成してくれますし、国土交通省のホームページにもマンション標準管理規約という規約の雛形が出ておりますので、私どもの出番はあまりないんです。」

お客様

「ホームページに規約の雛形が出ているんですか?知らなかったです。管理会社は比較表を作ってくれるとは言わなかったです。」

「そうなんですね。管理会社はどちらですか?」

お客様

「〇〇建物コミュニティサービスです。」

「そちらの管理会社でしたら、私どもの顧問先の管理組合で追加費用なく比較表を作ってくれていましたよ。もう一度聞いてみてください。」

※総合管理受託戸数30位くらいまでの管理会社であれば対応実績があります。

 リーズナブルな管理会社は、別メニューまたは不対応の場合があります。

お客様

「わかりました。聞いてみます。」

 

数時間後・・・

 

お客様

「管理会社が比較表を作ってくれるそうです!ありがとうございます!」

「よかったですね。」

お客様

「こういう説明をしてくれるマンション管理士事務所はなかったです。」

「そうなんですね。また何かありましたら、ご連絡ください。」

 

と、まぁ商売っ気の無いやり取りになるわけです。

 

マンション管理会社に在籍しているころから、管理規約の見直しは提案していましたし、管理会社は規約の元データを基本持っているのでその対応は比較的容易です。

国土交通省のマンション標準管理規約との比較表も、管理会社やマンション管理士であれば持っていて当然のレベル。

マンション管理士の中には、マンション標準管理規約のコメント(後ろについている説明書き)を手元資料にして読み上げて、いかにもって仕事をしている方もいると聞きますが、そのようなものは最初から比較表に表示しておけばよいわけで…

本当は、国土交通省のホームページに比較表の雛形もアップしてくれるとよいですね。

管理規約の見直しで労力がかかるところは、比較表の作成なので、

以上の理由から、管理規約の見直しに費用をかけるのも、お金を取るのもとてもナンセンスに感じる次第です。

 

なお、マンションの特性で、特殊な条文を検討したい場合には、

その部分だけに絞り込んで、管理会社の顧問弁護士や管理規約に長けた弁護士さんに相談するようにした方が賢明です。

管理規約の見直しは、やればやるほど深みにはまるので、検討が長期化すればするほどコンサルタントを喜ばせることになってしまうケースもあるからです。

また、管理規約をマンション標準管理規約から逸脱した個性的なものにし過ぎてしまうと、見直しに携わった当事者しか把握していないということになり、

組合員や管理会社の理解不足で、知らず知らずのうちに規約違反が横行するようなことになってしまうこともあるので注意が必要です。

 

自主管理のマンションの場合は、マンション管理士等専門家に依頼をして、管理規約の整備をすることをお勧めいたします。

 

記:マンション管理士 川島